特集・連載
いったいなんなんだー?「ハイランダー」の最強アウトドアギアの秘密
安くていいモノ暮らし どんなによくても高級品はもういらない。ただの「安い」じゃ満足できない。世界が大きく変わってしまった今、毎日の暮らしを“ちょっと”よくしてくれるモノさえあればそれでいい! 願わくば、なるべくお金をかけずに!! 本企画では衣食住遊オールジャンルからお値段以上の本当にいいモノだけを編集部が厳選してお届けします。「モノを持たない」時代のグッドプライスって、いったい何だ? この記事は特集・連載「安くていいモノ暮らし」#31です。
「ハイランダー」ってなんなんだー?研究
昨今のキャンプブームを後押ししている要因は、世の中に魅力的で小洒落たギアが増え、かつ手の届く存在になってきたこと。その先鞭メーカーたるハイランダーって、いったいなんなんだ?
お話をうかがった方
ハイランダー 商品担当
植村圭介さん
実は釣りもキャンプもしたことがなく、ウェブ関係の縁でこの世界に入りました。今はすっかりファミリーキャンパーです。
Q1.商品企画やヒット作を生み出す秘訣って?
A.ハイランダーはもともと釣り具・アウトドアの小売店としてスタートしたナチュラムのオリジナルブランドで、現在は実店舗は構えずECで販売しています。そのため膨大な販売実績データをリアルタイムで活用できるんですよ。
そこにフェスやイベントの現場で仕入れたトレンドの分析を加味しながら、お客様が求める機能・価格帯をマーチャンダイジングしているのが大きいと思います。
Q2.どうしてそこまで価格を抑えることができるの?
A.ありがとうございます(笑)。これは繰り返しになりますが、アウトドアのトレンドをキャッチしていることと、これまでのバイイングで培ってきたさまざまな情報やデータがあること。
そのうえで商品開発の際、初めにスペックと想定売価を決めるんです。この段階で条件に合わなかった商品は製品化されないため、結果的に値頃感のあるものが残ります。
加えて川上から川下まで、つまり開発から販売までのすべてに直接タッチしているため、メーカー品と違い中間マージンをのせないプライシングができます。
具体的には中国で広州交易会という大きな展示会があって、ここには必ず足を運んでいます。東京ビッグサイトの何倍もの広さの会場に、工場が自社で生産可能なアイテムのサンプルを展示しているんですね。そこで引っ掛かるものが見つかれば商談し、自社用にカスタマイズして商品化します。
商品が完成したらEC用の写真を社内で撮影し、販売という流れ。こうして価格以上の価値を感じていただけるスペックの商品を世に送り出すことができています。
Q3.他のブランドにはないハイランダーの強みってなんですか?
A.おかげさまでウッドロールトップテーブルに非常に多くの支持を頂戴して以降、商品のデザイン性は必ずこだわるようにしています。
開発部隊は私ともう1名の2名だけで動いているんですよ。ブランド自体はおかげさまで拡大路線にあり、大変といえば大変ですが(笑)、少数精鋭の強みであるスピード感は失わないよう努めています。他社では新製品のリリースは半期に一度ほどですが、ハイランダーではECにて随時、年間で12回以上行っています。
そもそも、これまで扱っていた商品にはない機能・価格のポジショニングにある商品を補うための自社ブランドなんです。イメージとしては「アパレルにおけるセレクトショップのオリジナル商品」が近いかもしれません。
実はキャンプ用品にも皆さんが思う以上にトレンドのサイクルがあるんですよ。近年はウッディでナチュラルなテイストが主流になっており、また男性にはブッシュクラフトのような無骨で野性的な遊び方が好まれています。
昔流行っていたものがリバイバルすることも珍しくなく、ファッションと同じように年々トレンドが変わるんです。いくらいいモノをリーズナブルに作っても、素材やデザインが時代のニーズにマッチしなければ売れませんから、最新トレンドをキャッチしたり、予測したりという点はとても大事です。
そのうえで、無理なく買えるけれどもエントリーユーザーにはワンランク上のものに感じていただける、上級者には値頃な印象を与えられる、そんなモノ作りを心掛けています。
「ECでしか買えない」を強みにして、刺さるデザインと価格を実現!
2016年:人気の火つけ役、ウッドロールトップテーブル
アラウンド1万円で憧れの木製テーブルが!と、ネットの口コミでヒット。今の路線へと舵を切るきっかけに。
[ビギン2021年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。