世界への挑戦につながる日本ラグビー新リーグ「リーグワン」来年1月開幕
2003年に産声を上げ、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中断となった2020シーズンを含め18シーズンにわたり開催されてきたジャパンラグビートップリーグ(以下トップリーグ)。国内ラグビーの発展、日本代表の強化に寄与してきた世界に誇るリーグは今年のシーズン終了をもってその役目を終え、2022年から新リーグに生まれ変わり再始動する。
その新リーグの名称は、ジャパンラグビー リーグワン(JAPAN RUGBY LEAGUE ONE。以下「リーグワン」)だ。
「ONE TEAM」を彷彿させる「ワン」というキーワードを冠した新リーグは3部制となっている。最上位のDIVISION 1は12チーム、DIVISION 2とDIVISION 3は各6チームで、各ディビジョン内で順位を争うことになる。これまでトップリーグとその下部リーグを構成してきた計24チームの多くが参戦し、各ホストエリアの都市や地域をチーム名に新たに組み込んだ。ディビジョン分け、チーム名は以下の通りだ。なお、各ディビジョンにはそれぞれ名称が付く予定となっている。
リーグワン DIVISION 1(12チーム)※カッコ内はホストエリア。※表記は公式チーム名。より短縮された呼称は画像参照
DIVISION 1の12チームのエンブレムと呼称
2021©Japan Rugby Top League all rights reserved.
リーグワン DIVISION2(6チーム)※カッコ内はホストエリア。※表記は公式チーム名。より短縮された呼称は画像参照
DIVISION 2の6チームのエンブレムと呼称
2021©Japan Rugby Top League all rights reserved.
リーグワン DIVISION3(6チーム)※カッコ内はホストエリア。※表記は公式チーム名。より短縮された呼称は画像参照
DIVISION 3の6チームのエンブレムと呼称
2021©Japan Rugby Top League all rights reserved.
なお、ホストエリアとは別に、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安は宮城県仙台市、横浜キヤノンイーグルスは大分県、宗像サニックスブルースは福岡県北九州市を「セカンダリーホストエリア」に、中国電力レッドレグリオンズは中国地方全域を「フレンドリーエリア」に設定している。まだホストエリアが調整中のチームも一部あるが、いずれにしても各地域との密接な関係性の構築、地元のファンからの熱い応援がより一層期待できそうだ。
近年のトップリーグが16チームで開催されてきたのに対し、最上位層のリーグワンDIVISION1は12チームに絞られ、今まで以上に拮抗した試合が増えることでさらなるレベルアップが期待できる。それもリーグワンの大きな見どころだが、最大の目玉と言えるのはDIVISION1の上位2チーム(予定)に「クロスボーダーマッチ」への出場権が与えられることだ。
クロスボーダーマッチとは、文字通り「国境をまたいでの試合・大会」を意味する。つまり海外リーグのチームと対戦する機会が設けられるわけだ。その対戦相手についてはリーグワン初の記者会見(7月16日)時点では「南半球と交渉中」(一般社団法人ジャパンラグビートップリーグ太田治 業務執行理事)ということだが、南半球と言えばニュージーランドやオーストラリアなどのチームで構成される、世界に冠たるリーグ「スーパーラグビー」だ。そのような強豪チームとの対戦が実現するのか、またどのような大会方式になるのかなど未確定要素が多い段階ではあるが、クロスボーダーマッチの実現が大きな転機となることは間違いないだろう。
リーグワンは下記の4つのMISSION(使命)を掲げている。
ホストエリアやその周辺地域、いわば「我が街」から海外の強豪に挑戦するチームが現れるかもしれないという従来なかった期待感は、まさにこうしたMISSIONの核の部分と言える。2020年までスーパーラグビーに参戦していたサンウルブズを失った日本のラグビー界にとって重要な強化の礎となり得る新リーグ「リーグワン」は、ラグビーワールドカップ2023フランス大会を翌年に控えた2022年1月7日(金)に開幕する。
ジャパンラグビー「リーグワン」
https://league-one.jp/
齋藤龍太郎
《ワールドワイドにラグビーを取材中》
編集者として『ラグビー魂』をはじめとするムックや書籍を企画。2015年にフリーの編集者兼ライターとなり、トップリーグをはじめ日本代表の国内外のテストマッチ、ラグビーワールドカップを現地取材。フォトグラファーとしても活動。著書に『オールブラックス・プライド』(東邦出版)。
文・撮影(画像1・2枚目)/齋藤龍太郎(楕円銀河)