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CASIO[カシオ]G-SHOCK GMW-B5000GD

メタルケースの角形シリーズの登場以降、再びお洒落さんの間で人気絶好調のG-SHOCKですが、コイツの一番の魅力はやはり時計史上最強に“頑丈”なとこ。それを担保するカシオの品質保証部にお邪魔し、ドSな耐久試験の数々を取材してまいりました!

「ハードすぎる耐久試験で会社の総務から怒られました(笑)」
―開発本部 時計開発統括部 品質保証部 第一品質保証室 阿部亮史さん・談

品質保証部では、全カシオ時計の試作モデルに対して性能評価試験を行っています。現在評価規格の総数は190項目。これは年々増え続けていて、おそらく来年には200項目以上になるでしょう。

カシオの時計は日々新技術を搭載しているので、試験もどんどん増えてしまうんです。もちろんモデルごとにクリアすべき規格は異なり、1つのモデルに対して大体100項目以上の試験を実施。これら全てをクリアしないと、工場で量産に移れません。

なかでもG-SHOCKにはとりわけハードな試験を行っています。これはひとえに「10mの高さから落としても壊れない」という当時としては無謀な開発コンセプトを掲げてしまったことの宿命。

G-SHOCKの開発は1981年にスタートしたのですが、開発者が日々この羽村技術センターのちょうど10mの高さにある3階トイレの窓から試作品を投げ落として試験したという話は有名ですよね? その意思を継ぎ(笑)、メタルケースだろうと豪華な金無垢ケースだろうと、私たちもG-SHOCKを徹底的に苛め抜いています。

たとえばハンマーを180度上に回してから振り落とす「ハンマー衝撃試験」や、セットした時計をバネで射出して凄まじい勢いでコンクリートに当てる「加速落下試験」など、知らない人が見たらとても時計のテストとは思えないかもしれませんね。
 

180度ナックルハンマー

ハンマー衝撃試験
真上から弧を描いて落ちてくる5kgのハンマーを時計にガツンとぶち当てる「ハンマー衝撃試験」。

加速落下試験は社屋への衝撃も凄まじく、床が壊れるからここでやらないでくれと総務に怒られたことも(笑)。
 

垂直式Gバスター

加速落下試験
時計を猛スピードで垂直落下させる「加速落下試験」。実験室中にドン!と凄まじい音が響いた。

またそうした派手な耐衝撃試験の一方、地味だけど過酷な試験も多数実施しています。電気をバチバチ流したり、人工の汗に浸したり、延々と布でこすりつけたり……ダイバーズ系モデルのボタンを水中でひたすら押し続ける「水中ボタン耐久試験」などもそうですね。
 

水中無限連打

水中ボタン耐久試験
水中に沈めたモデルのプッシュボタンを数千から数万回押し続ける「水中ボタン耐久試験」。

 

泥水ジェット

泥水ジェット
マッドレジスト構造モデルに対しては泥を攪拌した水中でボタンを押し続け、浸入をチェック。

この試験、試験機ができる前は、人の手で延々ボタンを押していました。ちなみにそうした試験機の開発も品質保証部の仕事です。

手前味噌になりますが、試験を行うたびG-SHOCKって本当に壊れない時計だなと感心します。この日本が世界に誇るNo.1タフネスウォッチの地位を守るためにも、今後も手を緩めず、さまざまな試験を実施していきたいと思います。
 

メタルモデルも実験

CASIO[カシオ]G-SHOCK GMW-B5000GD

CASIO[カシオ]
G-SHOCK GMW-B5000GD

初代から受け継ぐ角形ケースをフルメタル化し、ただいま大ヒット中のモデル。新しい耐衝撃構造の採用により、頑丈さはそのままだ。タフソーラー、スマートフォンリンクなど多彩な機能搭載。49.3×43.2mm。SSケース&ブレス。各6万8000円。(カシオ計算機)

東京都 カシオ計算機 羽村技術センター

東京都
カシオ計算機 羽村技術センター

東京都三鷹市に1946年に創業したカシオ計算機。羽村技術センターは、その研究開発部門として’79年に設立されたもの。世界最強のタフネス時計、G-SHOCKはここで’81年に開発がスタートし、’83年に発売された。

開発本部 時計開発統括部 品質保証部 第一品質保証室 阿部亮史さん

開発本部 時計開発統括部 品質保証部 第一品質保証室
阿部亮史さん

2011年入社。プリンターの開発部門を経て、’17年より時計開発部門に。現在は主にカシオのアナログ表示モデルの性能テストを担当し、試作機の製造も自ら行う。愛用時計は江戸切子ベゼルを装着した限定版のオシアナス。

 
※表示価格は税抜き


[ビギン2020年5月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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