人気アウトドアブランドで探した「ウチの最強暖かダウン」

人類が水鳥の羽毛を防寒着のための保温素材として活用しはじめて、はや半世紀以上が過ぎました。でも、いまだにダウンを超える暖かさを持つアウター素材は世に広まっていません。ダウンジャケット=最強の防寒着。軽くて、暖かいという真冬のアウターに理想的な特徴を備えています。
もちろんファッションブランドも数多くのダウンアウターを世に送り出していますが、こと保温力、機能性という意味ではやはり、アウトドアブランドのダウンに勝るものはないでしょう。では、その中でも最強はどのモデルなのか。ギア好きにも、アウトドアのプロにも、はたまたファッション業界人からも注目度の高い5ブランドが誇る「ウチの最強暖かダウン」を聞いてきました。最高の最強を知りたければ、心して読むべし!

①ザ・ノース・フェイスの最強ダウン「エクスプローラーヒムコート」
8000m峰に登れる防寒ダウンをタウンユース向けにモディファイ

ザ・ノース・フェイスの最強ダウン「エクスプローラーヒムコート」

ザ・ノース・フェイスがカジュアルダウンの中で最強の防寒性を誇るのがこちら。ベースとなっているのは高所登山用の「ヒマラヤンパーカ」で、たとえば寒風が吹き込みがちなフロントジップ部分をダブルフラップにしてガードしていたり、胸部分のポケットが止水仕様になっているのがその証拠。中綿のコールドスポットを軽減するバッフル構造もヒマラヤンパーカのディテールだ。その一方でダウンの封入量は街で使いやすい分量にとどめている。表地にはゴアテックス社が展開している環境に配慮した撥水素材、ゴアテックス インフィニアムを採用している。

The North Face / Explore Him Coatダウン:リサイクル クリーンダウン
ダウン充填量:非公開
製品重量:1300g(Lサイズ)
表生地:ゴアテックス インフィニアム ウインドストッパー(表:ナイロン、裏:ePTFE)
サイズ:S~XL
カラー:ニュートープ、ブラック
価格:8万6000円
https://www.goldwin.co.jp/tnf/ec/pro/disp/2/ND91965

 

②ナンガの最強ダウン「マウンテンビレーコート」
国産ダウンメーカーによる、自社史上最強ダウンコート

滋賀県を拠点に、登山用の羽毛寝袋作りからスタートしたナンガ。ギアとしての信頼性の高さと国内で洗浄・精製される羽毛のクオリティはピカイチで、近年は品質にこだわる服飾業界からのダウンアウターの引き合いも絶えない。本作は高品質なポーリッシュホワイトグースダウンを200g(通常より3割以上多い)も封入した贅沢なモデル。かつてはアウトドアの本場アメリカのみで展開されていたが、2018年シーズンより日本に逆上陸している。

NANGA / MOUNTAIN BELAY COAT
ダウン: 860フィルパワーポーリッシュホワイトグースダウン
ダウン充填量:200g
製品重量:930g
表生地:ストレッチリップストップナイロン(防水・防風)
サイズ:S~XL
カラー:全4色
価格:7万8400円
https://nanga.jp/product/wear/tops/mountain-belay-coat/

 

③デサント オルテラインの最強ダウン「マウンテニア」
世界最大級のスポーツ展示会ISPOアワード受賞の大定番モデル

同社が誇る国内産ダウン・水沢ダウンジャケットの中でもとくに快適性と機能性を追求したハイスペックモデル。熱接着ノンキルト加工とシームテープ加工により水分の浸入を防ぎ、羽毛の弱点である“濡れ”の可能性を極力排除している。裏地にはデサントオリジナル保温素材HEAT NAVIを使用し、ジャケット内を快適な温度に保持。世界最大級のスポーツ展示会ISPOにて、2018年度のパフォーマンスセグメント・マウンテンパフォーマンスカテゴリー・アワードを受賞している。

DESCENTE ALLTERRAIN / MOUNTAINEER
ダウン:750フィルパワー
ダウン充填量:非公開
製品重量:非公開
表生地:ダーミザクスマイクロストレッチ(防水・防風)
サイズ:全6サイズ
カラー:全4色
価格:10万円
https://allterrain.descente.com/products/mizusawa/Mountaineer/

 

④コロンビアの最強ダウン「ヒートゾーン1000ターボダウンIIジャケット」
技術の力で暖かさをターボブースト!

天然の羽毛と化繊中わたを2層構造にハイブリッドし、ライニングにはオムニヒートと呼ばれる熱反射テクノロジーを組み合わせたターボダウンを採用。アルミニウムをドット状にプリントして体の熱を反射させるとともに、プリント表面にはどっと状の起毛を設け、肌と生地の間に温かい空気をため込む。それにより保温性がさらに高められ、ターボダウンの名に恥じないスペックだ。表地は防水透湿のオムニテックで、4ウェイストレッチでもあるため、非常に快適。

Columbia / Heatzone 1000 Turbodown II Jacket
ダウン:ターボダウン(900フィルパワー耐水ダウン+化繊中わたオムニヒート)
ダウン充填量:ダウン非公開、オムニヒート60g
製品重量:678g(Mサイズ)
表生地:オムニテック防水透湿生地(4ウェイストレッチ)ほか
サイズ:S~XL
カラー:ネイビー、ブラック
価格:5万4000円
https://www.columbiasports.co.jp/items/col/WE0862/

 

⑤アークテリクスの最強ダウン「サーミーパーカ」
スーツの上に着たいならコレ

パッと見はダウンアウターのように見えないけれど、ゴアテックスの表地の中には天然の羽毛と化繊中わたをハイブリッドさせているスタイリッシュな一着。ヨーロピアングースダウンは最も温かさが求められる中心部と袖に、濡れても保温性を保つコアロフト中わたは湿気の多いカフス、フードおよび脇下エリアに配している。またDown Contour Construction™といって、ダウンが体の形になるよう巧みに設計され、効率的な保温とスリムなフィット感を実現している。立体裁断に一家言あるアークテリクスならではの工夫だ。

Arc`teryx / Therme Parka
ダウン:750フィルパワーヨーロピアングースダウン+コアロフト
ダウン充填量:ダウン122g、コアロフト140g(Mサイズ)
製品重量:1100g(Mサイズ)
表生地:ポリエステル75dゴアテックス
サイズ:XS~XXL
カラー:全4色
価格:8万3000円
https://arcteryx.com/jp/jp/shop/mens/therme-parka

※表示価格は税抜き


写真/伏見早織 構成・文/礒村真介